BL小説 愛しのいばら姫 (プラチナ文庫) の感想



365+1」を読んだときに「この美山をもっと掘り下げた本を読みたい」と衝動的に思いましたが、その感覚は読者共通だったようです。

ツンデレ、我儘、超絶美形、「美山靭彦」でいることへのプライドが恐ろしく高い男。

美山は表面だけなぞるとちょっとムカっとくる男(笑)
なのに知ると、すごく愛しく感じてしまえる男

そんな全てを持っているはずなのに、何も持っていないと感じている美山がこの本の受主役。

「365+1」の主役だった紺と綾野ももちろん出てきますが、美山のお相手は、新興ブランドのオーナー久保田。

誰からも好かれる男。
ムードメーカーってほどでもないけど、嫌味がない。
んじゃ個性がないかというと、結構個性的。
なのに自然と人に好かれて輪の中心になってしまうような、少し兄貴肌も入った男。
根が純粋で裏表がない男でもあります。

ファッション業界での知人としてのつながりから、恋人になり、そしてその後までと、甘さを抑えたビターな心中の恋を描いていて、心のぎゅんときました。



愛しのいばら姫 (プラチナ文庫)愛しのいばら姫 (プラチナ文庫)
(2014/12/10)
凪良 ゆう

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生い立ちがよくない美山は、何事にも冷静。
昔の恋人との痛手もあり、よけいに冷静で動じない。
でも実は心の奥の奥には小さい火種がくすぶっていて、それに火がつかないように冷静に自制してる。

そんな美山の中で存在が大きくなりつつある久保田。
でも久保田は割とこういうことは天然?(笑)
誰にも優しくて、昔好きだった女をちょっと引きずってたり。

美山が存在として特別なタイプなのに対して、久保田はまあありふれてる。
その違いも大きく描かれていて、読んでいて掛け値なしに面白い小説。

甘さが少ないのはちょっと……という方も、ご安心下さい。
あからさまな甘さはないけど、ほのかに漂う甘さがあったり。
ちょっとずつ育てていくような甘さがあったり。
恋愛ってキスしてなにして……が定番のステップだけど、そういうものなくても恋愛小説ってすごいなぁと思わされるのも、この小説のすごさ。

さらに脱帽なのは、美山の心の動きがあまりにも繊細で細かいこと。
美山の論理的な思考、感情的な思考、いろいろな美山をMRIで撮影したようにつぶさに見せてくれて、美山というキャラが一層好きになりました。

「美山のスピンオフを」と望んでいた読者としては、これ以上の嬉しい小説はない!(笑)

最近飽和状態のBL小説の中でも、ピカーッと光ってる小説、「365+1」と併せてどうぞ。

……ただし、「365+1」は雰囲気全く違います。
かなりドロッとしてて、鬱屈した気分になります(笑)
それが「365+1」の持ち味で良さなのですが……



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