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BL小説  ワンダーリング (ディアプラス文庫)



既刊「ノーモアベット」のスピンオフです。

個人的には「ノーモアベット」は恋愛小説というより、指南書みたいだなと思った(そしてそれをアマゾンレビューで書いたらメタクソ批判されました(笑))んですが、この本はその逆で、「恋愛」一本でした。

あ、でもひん曲がった恋愛。
ストレートじゃないです。
そこが一穂作品らしいというか。

既刊本で登場したカジノオーナー藤堂と、ディーラー雪。
超財閥お坊ちゃんだけど完全ヘタレ年下攻めと、のらりくらりとつかみどころのない猫のような受け。

一体いつ甘くなるのだろう……と読んでいたら、実は最初から彼らの会話は「甘さ」「愛情」「親しみ」ってレールの上で繰り広げられていた。
最後で気づかされました。
そのぐらい、甘くないのに……甘いお話でした。


ワンダーリング (ディアプラス文庫)ワンダーリング (ディアプラス文庫)
(2014/06/07)
一穂 ミチ

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シンガポール華人財閥にとあることから拾われた日本人、雪。
雪という名前をつけたのは、財閥の末っ子息子の藤堂(中国名あり)。

親しいけど上司目線?の兄令輝の元でディーラーとして修業して独り立ちしていく雪を見守ってきた藤堂。
そしてその藤堂に幼いころから懐かず、大人になってからはのらりくらりと態度をとる雪。
甘やかそうとする藤堂と、そっけない雪。
そして、そっけなくする雪と、それに淡々と答えていく藤堂。

はっきり言って、藤堂は完全ヘタレ(笑)
見た目も何もかも情けないヘタレではなく、見た目はかっこよくてスーツの似合う表面はヘタレに見えない、隠れヘタレ。
そしてそのヘタレ具合だからこそ、限りなく優しくて、温かくて、素敵。
大人だからこそなれるヘタレとでもいいましょうか。
藤堂にしかなれない、ヘタレっぷり。
なおかつ、雪よりも行動や思考が一枚上手。
悟らせない上手具合に、年上の男の余裕あり。

そして藤堂をヘタレにしてしまっている雪も、この雪にしかなれない猫っぷり。
そこが可愛いというよりも、どこか切ない存在でした。
萌える存在ではなく、人を信用するけど信頼しない性格が可愛い。
藤堂しか結局は信頼しないのだと、一冊を通して伝えてくる。
そのメッセージがちょっと切なかった……

藤堂の兄であり、雪を拾った男でもある令輝も一瞬嫌な奴に見えて、実は……な奥深い人物で、藤堂とは別の意味でかっこよいというか、いさぎよい。
明らかにツンツン攻め(笑)

何考えてるかわかんないけど執着するととことん愛し抜く系の攻めになりそうなタイプ。
雪のこともドライに見えて、本能では特別な存在なのだと知らせてくれるエピソードが良かったです。

挿絵もどれも素敵。
特に表紙開いたところのカラーの扉絵は最高、必見です!

藤堂と雪、二人の関係を一目で表す挿絵。
表情や手の細部までの対比が、このお話の全てをまるっと一絵で表現してくれてます。
是非、買わなかったとしても、本屋さんでチラ見してみてください。

ちなみに、「ノーモアベット」とつながっているとはいえ、既刊のお二人はあまり出てきません。
特にストーリーにも絡んできません。



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