BL小説  恋を綴るひと (キャラ文庫)



うーん、暗い。
明るさがない。
2人とも性格がよくわからない(笑)
キャラに派手さがない!
すっごい平凡(笑)

雰囲気もエロくない。
甘くもない。
胸キュウンシーンもゼロ!
最初から最後まで結構淡々としてるし……

なのに……
なのに、読んでるうちに、自然と良さがにじみ出てくる……
隠れたエロチシズムみたいなものも浮き上がってきたり。

なんだ、この本。
印象すごい違う!


恋を綴るひと (キャラ文庫)恋を綴るひと (キャラ文庫)
(2014/03/27)
杉原 理生

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最初からガツガツ言ってるように、 他の杉原作品と比べると、たしかに、あまり面白い、わくわくする、胸キュンする本ではないです。

恋愛の盛り上がり感を重視する読者さんだと、「うわ、つまんない」「印象残らない」って感じるタイプの本かもしれません。
私も最初そう感じましたし。

ただ、それを乗り越えて(いや、別に乗り越えなくてもいいのですが、あえてここは我慢して?)、読み終えると、終盤になって「ああ、そういうことか」という、何かを発見したような気分になるのです。

合わせてキャラ、特に受けキャラ(これがあまりものを良く伝えないわかりづらい男)のことがよく見えてくるようになります。

ここまで来ると、ちょっぴりこの本「いいんじゃない?」と印象が強くなります。

基本は長年の友人同士が恋人になっていくというストーリー。
タイトル作品は、実はこの本の後半部分、つまり二人がなんとなく付き合って以後のお話で、前話として前半部分に二人が友人→付き合う相手となるストーリーがあります。

長男気質の面倒見がよい会社員、蓮見が攻め。
学生時代から何考えてるかさっぱりわからない、半分幽霊みたいな小説家、和久井が受け。
基本はこの受けの和久井の言葉や行動が良くわからず、それに蓮見がなんとなく振り回されながらも付き合っていきます。

どっちかがチマチマしてて可愛いとか、体つきが良くてラテン系だとか、そういう特色めいたものはありません(笑)
二人とも、イラスト見てもわかるとおり、普通。

実はこの本の中で、キャラ自身が自分の気持ちにお互いに気が付いていないし、あまり気づこうともしていないので、読者もどういう立ち位置なのか、どう関係が進むのかがよくわからず、これが最初、結構つまらないです。

それが、とにかくも二人の生活や言葉遊びを読んでいると、ふとしたところでつながる部分があったり、相手への気持ちが具現化しているのに本人が気づいていない部分が見えたりと、じわじわ読者がこの世界に浸透していけるポイントにたどり着けたりします。

このポイントを探すのがかなりの苦労なんですが、じーっと読み続けていると、それがふとした瞬間にふわりと浮いて見えてきます(笑)
そうなったら、こっちのもの。
かなり後半面白くなります。
感情っぽいかけらが繋がって、本当はこういう気持ちだったのか。
本当はさびしかったのか。
本当は好きだったんだ。
……と、いろいろ一気に開けてきて、いきなりこのキャラ2人が愛しく思えてきちゃいます。

ちょっと過去や設定に龍神とか出てきて、オカルト?風味もあるけど、全く普通の本です。
オカルトでも半神様的な話でもなく、ごく平凡な大学時代の同級生のストーリー。

微妙なとっつきにくさもあるけど、これはこれでアリ。
絶賛おススメまではしないけど、自分のBL本棚に並べる価値はあるかなと思います。



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