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BL小説  虹の球根 (幻冬舎ルチル文庫)



「トイチの男」読みました?

同じく玄上さんの本で、以前発売されたBLです。
この本が気に入った方は、この「虹の球根」をおススメします。

というのも、この「虹の球根」の主人公たちは、「トイチの男」にがっつりでてくるからです。
そう、「トイチの男」で出てきた質屋、硅太郎と銀示が、今回の主人公なのです!

「トイチの男」のちょっと物悲しい感じが好きだった私ですが、この「虹の球根」はもの悲しさはないけれど、同じ雰囲気をまとった小説で、ああやっぱりつながってるな、同じ作者だなと強く感じた作品でした。


虹の球根 (幻冬舎ルチル文庫)虹の球根 (幻冬舎ルチル文庫)
(2013/11/15)
玄上 八絹

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ベタベタ甘々が好きな読者様には、あっさしているように映るかもしれません。

ですが、言葉や態度で描かれていない甘さがベースになっていて、読み心地がよいものでした。

好きだとか嫌いだとか。
そんな即物的な恋愛感情を超えた、どこか魂でつながっている姿を描いています。

ストーリーとしてはちょっと切なめなところもありますが、二人の関係そのものは全体的に穏やかでどこか微笑ましいシーンが多かったです。

数ページの後日話ショートも、二人のその後の幸せな姿、つまり「トイチの男」につながる場面が描かれています。

あからさまに「幸せだ」と書かれてはいないのですが、暗に「穏やかに幸せです」というメッセージが込められていて、ちょっと感動でした!

ストーリーのベースは「芸術」とその「才能」

本当の意味で自分に絵の才能がないことを知りつつも、事実として受け止めがたい状態にいる美大生の硅太郎(攻め)。
この人はおうちが裕福です。
まあ、裕福な企業のお坊ちゃんならではの悩みはあるものの、才能以外は持ち合わせている人。

そして、幼少時代の育ち方から絵を描くこと以外はなにもできない美大生でハーフの銀示(受け)

こちらは実はお金には困ってないはずなのに、嫌なおじさんが登場。
こいつが使い込んでたりして、いろいろお金で困ったことになっていきます。

そしてお金や借金の問題から、絵の価値だとか売価だとか質屋だとか……結構スリリングな展開にもなってきます。

しかも取ってつけた内容ではなく、非常に現実的な部分もあり、そういう意味では読み物として面白かったです。

二人の関係はと言えば……

将来や才能で葛藤している硅太郎は、銀示に出会って自分の才能に見切りをつける。
と同時に、銀示の人とは違う感覚に惹かれていく。

銀示も銀示で他の人とは自分や自分の絵に対する接し方が違う硅太郎に、なんかヒナが親鳥を見つけたように寄り添っていく。

あまりに二人のつながっていく姿が自然で、心が温まりました。

硅太郎と銀示がお互いにお互いを守ろうとして奔走する姿にも愛しさがあふれています!

才能とは何か、絵の価値とはなんなのか、何が本当の価値なのか……いろいろ正解がないことを考えさせられる本でもありました。

この作者さんは、取り上げる題材やベースが少し個性的だったり、他の作家さんが気づかなかった隅っこに落ちてるアイディアをするりと拾い上げて描く方だな、と個人的には密に尊敬しております。

今回も、表現や主人公たちの考え方などが印象的でした。

三池さんの絵もどれも透明感があって純粋、素晴らしかったです。



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