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BL小説  雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)



ストレートにとっても心に残るお話でした。

表面は穏やかなのに、内面で青白い炎がきゅっと灯っている……。
ずっと好きな人を忘れられずに、自分だけが過去にとどまっている。

こう書くと、めめしい感じに聞こえますが、違います。
どんなに追い出そうとしても、無理な人。
好きという感情が持つ芯の強さを感じさせられるお話でした。


雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)
(2013/12/17)
凪良 ゆう

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数年ネットのチャット仲間として知り合いだった文人と巧。
文人は高校生→大学生で、巧は29歳。
とあることで一夜だけ出会い、話をする。
そして次に再会したとき、文人の姉の結婚相手として巧が家にやってくる。

ただ好きだとか運命だとか。
表面的な感情だけではなくて、「ゲイ」として生きるとはどういうことか。
そんな感情をどうしたらいいのか。
自分をゲイと知った友人がどういう思いを抱くのか。
自分はどう接すればいいのか。
いろいろな側面から物事をとらえて描かれているのが、まず非常に新鮮でした。

二人は、お互いに好きながらも、自分に忠実であってはいけないいろんな理由があり、何事もないように時間を過ごしていく。
出会って7年、最初の3年はチャットのみで。
それだけの長い年月を経ながらも、どうしても忘れられない相手。
でも、それをじゃあどうかしなきゃ……という恋愛至上主義ではない。

もちろん前提は文人と巧のお互いへの想いがあるわけです。
でもそれをストレートに展開するのではなく、巧は大人な考え(逆に言えばいろいろなしがらみを考えてしまう大人な思考)を冷静に述べる。
そして文人もそんな巧が好きだから、彼の考えに寄り添おうとする。

でも、それでも互いへの想いが湧きだして止められない。
この溢れだす感情の葛藤、止められない気持ちのパワーがすごくて、感動しました。

最後のシーンは、泣けます。
いろいろな誤解がある部分もあるのですが、とにかく泣けました。
ああ、ホントによかった……と映画のワンシーンを観てるみたいでした。

「姉の恋人を好きになった」
「婚約者の弟を好きになった」
そんな単純な感情では表しきれない、心情的に複雑でちょっぴり切ないお話、オススメです。



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