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BL小説  イエスタデイをかぞえて (ショコラ文庫)



ちょっとトリッキーに作られている作品でした。

まず、タイトル作品だけ読むと、全然共感できなかったです(笑)
いい話のはずなのに。
一度死んでもう一度条件付で生きなおすというヘビーなネタなのに、最後の展開が軽くあっさりすぎで、拍子抜け。

ちょっと気分削がれてしまったのですが……


イエスタデイをかぞえて (ショコラ文庫)イエスタデイをかぞえて (ショコラ文庫)
(2013/08/10)
綾 ちはる

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けれど、抱き合わせの視点を変えたタイトル作品の補完作品を読むと、全然印象が変わりました。

タイトル作品含めて全体に深みや重さが出てくるのです!
こりゃ、なかなか味のある良い作品だ!

全部読んで、初めて良さがわかる、そんな本でした。

突然事故によって死んでしまった冬至。
死神から一つだけ願いを叶えてもらえることになり、恋人椿と出会う前からやりなおすことにする。
椿と出会わないように。
出会っても椿と仲良くならないように。
そして椿が自分を好きにならないように。
でも運命は、既に辿ったような道すじを選ぼうとして、冬至は気持ちに反して椿に強く当たろうとする。

好きだからこそ、出会ったことさえなくしてしまいたい。
好きだからこそ、相手には自分以外の人と幸せになってほしい。

相手を想う気持ちと、でもやはり相手を好きにならざるをえない、完璧に拒否できない愛情。
この二つがせめぎ合う様が現実的で、ずしんずしんと響いてきました。

多少「そんなんでいいのか?」と軽めに感じてしまう部分もあるので個人的にはもろ手を挙げて「よかった!」と思えませんでしたが、好きな人への気持ちってこんな純粋なんだって改めて認識させてもらえる良作品だと思います。

基本、死んで始まるストーリーですが、泣きオチではないです。
ハッピーエンドです。
そのハッピーエンドへの持って行き方が納得できないと、ちょっと微妙~に感じるかもしれません。

イラストは、きれいでした。
あっさり淡めで、幻想的。
内容にぴったりです。

そして、冬至の愛する椿は、超王子様美形クンなのに、すごく穏やかで、そして意志が強い。
冬至を好きな気持ちに揺らぎがない。
すごく素敵な人間でした。

冬至も、不器用極まりないけど、椿を愛する気持ちは不変。

こんな二人だからこその、ストーリー展開だな、とキャラにハマった作品でもありました。





テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
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