BL小説  真夜中の蜜約 (クロスノベルス)



なにはともあれ、まず小椋ムクさんの表紙イラストが綺麗です。
ほら↓


真夜中の蜜約 (クロスノベルス)真夜中の蜜約 (クロスノベルス)
(2012/03/10)
いとう 由貴

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なんとも幻想的。すてき。すてき。すてき!

作者さんのあとがきにも「表紙で騙されて買う人がいるかも」とありましたが(笑)、まさに、です。

表紙買いした私ですが、実際表紙で購入した方も少なくないのでは?

そのぐらい幻想的で、どんなストーリーか期待させてくれるイラストではないでしょうか。


では内容は、というと、表紙の幻想的とは打って変わってかなり生々しいです(笑)
生々しいし、つらいし、どぎつい。
加えて、不信感と不幸感のダブルパンチ。

かなり後半までそんな状態で、ちょっと大丈夫?と思いつつも、なんだかんだこの劇的ドラマの展開がどうなるのか楽しみで読み入ってしまいました。

超不幸なストーリーは、それはそれで結末がすごく知りたくなるという人間心理をうまくついてます(笑)

いじめっ子の話がよく売れるのと一緒ですね、きっと。

ストーリーは叔父夫婦および従姉に苛め抜かれている高校生の優樹が、ひょんなことから弁護士の秀隆と知り合う。
でも秀隆はこのひどい従姉の婚約者だったという流れ。

この叔父夫婦がまた「ひどい親戚」を絵に描いたような人物で、彼らの娘の従姉も当然のとおりの我儘いじわる女。
レ・ミゼラブルのティナルディエ夫妻をもっと性悪にしてえげつなく人間の悪いところを丸出しにした感じ。

そして秀隆だけが、優樹の心の支えとなるも、実は秀隆には秘密があり……というどこまでも受けの優樹を不幸に陥れるストーリー設定です。

どんだけMなんだ、優樹!?

なおかつ、まるっと1冊優樹もいじめるために使われてるんじゃないか?ぐらい、甘い部分は少ない!
ラスト部分も一応大団円とはなるものの、もう一歩甘さと希望が欲しかった!というのが読後の正直な感想。

少しありえない設定や世界ですが、基本は勧善懲悪の構成になっているので、最後はすっきりとします。
悪はやられる。
正義はむくわれる。

……にしても、なぜか悪者ばかりが輪郭くっきり。
主役2人、とくに攻めの秀隆の厚みは薄目(笑)
弁護士ってのはわかってるけど、私生活が見えてこない。

加えて、自虐的な甘さはあれど、ポジティブな甘さは少なく、もろ手を挙げて「いや~感動した」とおすすめできるほどじゃありません。

が、別の意味で、こう、いろんな意味では結構ニッチなおすすめかも。

エロについても、いろんなシチュエーションでバラエティたっぷりで非常にそそられました。
爺さま相手とか、ギャング相手とか、道具使ったり、縛られたりと、まあ、いろいろ。

ですが、不特定多数との行為やら、暴行的なものが苦手な方は、読むのがしんどいシーンがあるかもしれないのでご注意ください。

いとう作品というと、割と超Mとか超Sとか、なんだろ針が振り切れる感があった印象があるのですが、どうなんでしょう?

最近、いとう作品を読んでいないので、「こんなの、まだまだだよ。もっと不幸感いっぱいのあるし」とおっしゃるいとう作品通の読者様がいらっしゃるかもしれません。

個人的には、この「真夜中の蜜約」あたりのレベルでもう限度です、はい(笑)



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