BL小説  くろねこのなみだ (ショコラ文庫)



かなり多くの方が読まれて、アマゾンでも高い評価が。
ちょっと概要読んで「猫が人間??」と一歩引いたものの、やっぱり気になって、かなり後発ですが読んでみました。


くろねこのなみだ (ショコラ文庫)くろねこのなみだ (ショコラ文庫)
(2013/02/25)
夏乃穂足

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たしかに、読み手のツボを押さえてます、この小説。
泣ける。かなり泣ける。
可愛さと、一途さと、ちょっとした不幸シーンなんかが重なって、かなりぐぐっと感情迫ってきます。

こう、ほんと泣きのツボを押さえた書き方なんですよ!
一人称だからかな。
猫のクロが、いろいろ考えたりつぶやいたり。
悲しい過去を思い出したり、自分を拾って飼ってくれた克己の言動で一喜一憂したり。

もちろん、それだけじゃないです。
物語も引き込まれます。

まあ、はっきり言って現実味は薄いです(笑)
結構安易な展開もあるし、設定的に作者びいきで都合がいい部分もある。
そんなみんな簡単に関係が繋がったりしないだろ、みたいな。

それでも、なんか引き込まれてしまう魔力がありました!

主人公は猫のクロ。
ある事件で、人間の瑞樹と心と体が入れ替わってしまい、瑞樹は猫になり、クロは人間になる。
そして自分の飼い主だった獣医の克己の言動や関係に悩んだり喜んだりしていくというストーリー。

その悩み方が子供っぽいのですが、ひねってない分だけ純粋で、切ないです。
猫目線での描き方も真実味がありました。

人間不審ながら、克己のものでありたいと願いつづけるクロ
母親を想いながら半殺しのように死んで、子猫に生まれ変わった瑞樹の友人
そんな彼を待ち続ける母親、沙耶子
人間のときつらい思いをして、猫のままでいることを選ぶ瑞樹
そして、元兄の恋人の沙耶子を探していた克己。

手放すぐらいなら、最初から手にいれないでほしいと叫ぶクロのセリフに、人のあり方とか、猫のあり方とか、いろんなことを考えされられてしまいました。

そうそう、セリフがいいんです。
単純なひねってないセリフなのに、いやだからこそずしんと心に響いてくる、みたいな。

その他脇キャラのやくざ小暮や、克己の病院で働く中西など、みんなそれぞれ結局はいい人で、暖かい気持ちにもなりました。

個人的には、ひどいけどちょっとかっこよく描かれていたヤクザの小暮がツボでした。
綺麗な雌猫を大事にしてる怖いヤクザ。
でも、どっか心の奥底は人間めいてて、一応克己の親友でもある。
義理とかまったく気にしなさそうで、実は義理堅い男でした(笑)

まあ、非現実的ではあるのでファンタジック系もOKな読者限定になってしまうかもしれませんが、感情が高ぶれる本としてはおすすめです。

実際に猫飼ってる人が読むと、かなり読みたくないかわいそうな文章もちらほらあったので、 猫好きな方はご注意を。

私は、結構へこみました(笑)
猫(やほかの動物)をいじめたり殺したりするシーンは、どんなにフィクションの中でもつらいですよね。



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