BL小説  失恋コレクター (幻冬舎ルチル文庫)



一言で表すと「心の旅」。

一人で葛藤して、悩んで、吹っ切って、でも吹っ切れなくて……と一人芝居っぽさがあった。


失恋コレクター (幻冬舎ルチル文庫)失恋コレクター (幻冬舎ルチル文庫)
(2013/05/17)
玄上 八絹

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大学時代からの友人、朋哉(攻め)を思い続けて、友人としての地位で一人もがいて苦しんで悩む棗(受け)。

やめようと思ってもやめられず、でも彼女に振られたときは慰めてあげて、一番近い存在であり続ける。
もうふっきろうという気持ちとふっきれない気持ち。

両方がずっと交錯して悩む……まさに「一人心の旅物語」

ちょっと気持ちの表現がうっとおしいけれど、受け棗の気持ちには寄り添えました。
なんともしがたい気持ちもよくわかる。
やってることや朋之に対する気持ち以外はあっさり性格なので、べっとりじとじとしていないからイラッとすることもなく、好感が持てたかな。

逆に「なに、あなた?」だったのは、攻めの朋哉。
受け視点なので、もともと影が薄い。
存在が薄い。
表面的な行動のみ描かれているので、それも仕方ない。

いや、でも、それにしても最後のどんでん返し?は「え、そうだったの?」とちょっと拍子抜け。
良い意味でも悪い意味でも、拍子抜け。

それがオチ?って思ったら、ちょっと白けた。
悪くない最後だと思うし、ラストがこういう展開を好む読者ならあ~よかった、と感極まるかもしれない。
でも、そうでなければ、かなり最後でガコッと気持ち萎える。

よく殺人事件でもあるパターン。
真犯人は後半ちょろっと出てきただけの人だったり。
メインキャラの友達のお兄さん、とか、はっきり言って超他人だったり。
この本のラストも、そんな真犯人を暴露された気分(笑)

「それってどういう意味?」って思われた方、ぜひ読んでみてお確かめを。

途中から登場してくる当て馬宮田も、最後の切れ具合が中途半端でした。
味のある人でかっこよいのに!
攻めの朋哉よりよっぽどかっこいいし素敵!
もう少し最後色濃い印象だったらよかったな、と個人的には少し残念。

一番色濃く残ったシーンは、朋哉が無理やり棗を抱いてしまうエロシーン。
その導入は無理クリ感があれど、読んでて火照る。ナマっぽくて最高。
読みごたえもある濃厚な場面。ここはおススメ。

総じて悪くないけど、すごいはまれるわけでもない。
ラストは好き嫌いが分かれるところ。
受けの棗は、性格も行動も等身大で親近感あり。

……とこんなところでしょうか。

くれぐれも、攻め朋哉はかっこよくない、性格的に。
潔くないというか、ヘタってるというか。

そう考えると、「ダメ男に惚れた弱みでつくしてしまう男」って話??



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