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BL小説  アイズオンリー (SHYノベルス299)



全体のイメージは淡くて、ぎゅっと触ったらぼろぼろ崩れそう。
強い火じゃなくて、ずっとたき火の中でくすぶってる種火みたいな熱がある本でした。


アイズオンリー (SHYノベルス299)アイズオンリー (SHYノベルス299)
(2013/02/28)
一穂 ミチ

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ずっと家に置いてあって、なぜか長いこと手つかずだったのですが、1ページ読み始めたらとまらない魔力が……

でも、不思議に感じたのは、2/3過ぎるまで、いきつくところが見えなかったこと。
展開が読めない。
ずっと見えない。
何が言いたいんだろう、そう思いながら読み続けてみたところ……

設定もちょっと変わってました。
あんまり人が思いつかない設定っていうのかな。
目が見えない人が見えてからの人生。
人がうまく認識できない病気の生活。
そんな2人が昔も出会って、今も再会して……。

体験したことないから共感できないはずなのに、どこかしっとり寄り添うような共感が。
なぜかはわからないけど。
でもなぜかわからないのにそうなってしまうのが、この作品の魅力なのかもと思います。

キャラもまず攻めキャラ数真が素敵でした。
さわやかなのに体育会系のエロさがあったり。
ひょうひょうとしてるっぽいのに熱かったり。
なんかちょこちょこ見せてくれるギャップが、昔の彼と重なって妙に切なさかったり。

受けで年上引きこもり気味の縁(ゆかり)も、良い意味で人間臭かった。
人の顔を認識できない病気であることの恐怖。
それがばれると困るという、開き直れない心。
嫌われるのが怖くてたまらないという臆病な気持ち。

ぐずぐずした気持ちが始終底辺にあって、それが数真の心にじわじわと包まれて、押しやられて、まるっとひっつかまれていくのが、たまらなくよかった。

表紙もさることながら、挿絵もとてもきれいで幻想的。
小椋ムクさんのふわりとした絵柄が、作品にマッチしてました。
おススメです、本も挿絵も。

出て来る人物は少ないです。
考えてみたら、主人公2人と、脇役のおじさん1人だけ……?
b でもそれでいいんじゃないかな。
というかそんな少ない狭い世界のストーリーだった?と言われて気が付く程度。
それだけ読んでると世界にハマれました。
なぜかはわかりませんが……。

うーん、なんとも不思議でした。
不思議な体験?をした気分。

そして、一穂作品にしてはエロかった。
真摯なエロがたっぷり。
珍しいな、なんて思いました。
そしてとっても素敵でした、どのシーンも。
愛溢れてる!

ってことで、2度目言います、「おすすめです」



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テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
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