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BL本 いとしの悪党 (幻冬舎ルチル文庫)



相手がどんなに悪党でも好き。
どんなに騙されても、どんなに傷つけられても、どんな仕打ちをされても、好き。

まさに、この人じゃなければダメ。
離れたくない。
そんなまっすぐで一途な気持ちを、間接方法で読ませていただいた気分でした。


いとしの悪党 (幻冬舎ルチル文庫)いとしの悪党 (幻冬舎ルチル文庫)
(2012/11/15)
李丘 那岐

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ストーリーとしては、結構主人公、受けと攻めの2人以外は希薄。
メインの2人が本当にメイン。
出会いは大学時代。
金持ちでなんとなく恵まれて生きてる受けの行人と、人生どんぞこから詐欺やらで生きてきた攻めの田上。

田上は行人をだましたり、いいように金を引き出したり。
行人は田上にひどい仕打ちをされても、田上にいつものごとく接する。
そして田上が消えて、数年。
また再会した2人。
行人は田上にこっぴどく騙されているのに、まだ田上に前のように接して、会社まで一緒にやろうと持ちかける。

行人の飄々とした態度に、困惑しながらも付き合っていくことになる田上。
物語はそんな2人の関係に沿って進んでいきます。

冒頭で書いた、「どんなに騙されても、どんな仕打ちをされても、好き」
普通、こういうのって自虐的に見えたり、読んでてしらけたりするもの。
なのにこの行人の行為はまったくそう見えない。
理由は、受けの行人があまりにも飄々としているからでしょう。

大学時代に知り合った田上になぜか執着してしまう行人。
それが「好き」という気持ちだったと長い間かけた後で本人が気が付くのですが、田上にどんな行為を受けても、流しまくって、さらりと一緒にいようとする。
そう、いつもさらりと田上の意地悪な言葉などを流してしまうのです。
いちおう心の中ではいろいろ考えているみたいだけど(笑)、良い意味で考えすぎない男。

苦労知らずのお坊ちゃん、心がどこか純粋でつるっとしているお坊ちゃんになにを言ってもつるりと滑ってかわされる、みたいな。
そして、田上もへこたれない行人のペースにはまるように、会社を興して経営していくのです。

そんな2人は、一緒にいる。常に一緒にいる。
でもそれ以上でも以下でもない。
どこかで触ったら、なにかが壊れるような気がする。
気持ちの綱渡りをしているような2人の関係が、とても熱くて面白かったです。

もちろん最後はハッピーエンドではありますが、ぎりぎりまでそんなそぶりがでない2人にやきもきもさせられました。
しっかり最後はこれまで交わりがなかった分、ガッツリ楽しませてくれますが、基本糖度はゼロ。

もともと暗めで恐めでなに考えてるかわからない田上なので、そんなストレートな言葉は口にしない。

糖度ゼロ、ゼロ、ゼロ。
……なのに、どこか隙間が甘いのです!

ハードでもないけど、ソフトでもない。
甘くもないけど、辛すぎるわけでもない。
ちょっと不思議?な位置づけの、一冊。是非一度お試しください。

ちなみに、既刊「空を抱きしめる」とちょろっとつながっていますが、読んでいなくてもまったく問題なくお話はわかります。




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テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
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