BL小説 隣りにいる人 (ショコラ文庫)



かなり衝撃的だった前作「遠くにいる人」の続編で、小田島×治樹の1年後が描かれています。

想いの伝え方の違い、相手に求めるものの違いを、小田島の見合い話をきっかけに改めて考え直して二人の気持ちをすり合わせていくストーリーでした。


隣りにいる人 (ショコラ文庫)隣りにいる人 (ショコラ文庫)
(2013/03/09)
ひのもと うみ

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前作ほど衝撃的でも緩急ついているわけでもなく、ぐずぐずしてる治樹がいろいろ悩むところがメイン柱なので、前作と比べてしまうと、ちょっとタルい感じ。

……が、逆にそのタルさが治樹の性格や悩みに自然と沿っていて、これはこの流れでいいのだと強く納得させられてしまうところが、ひのもと作品のすごいところ。
後日話としてはしっくりくる、良い話だったと思います。

読んでいると治樹の考え方に沿って読みがちだけど、その考え方が小田島や他人から見てどうなのか、逆から考えたらどう思われるのかなど、小田島の欲していることから逆に考えなおして治樹が新たに自分という堅い殻から飛び出す。

二人の関係にとっても治樹にとっても高いハードルを一つ乗り越える。
読んでいてほほえましくもあり、純粋に応援してしまいたくもなり。
「ああ、ほんと読めてよかった」です(笑)。

すべてをさらけだして飛び込めば受け止めてくれる。
そんな小田島の懐の大きさも、魅力的でした。
前作とはうってかわって頼りになる存在になった小田島、素でかっこよかったです!
大人の年上の男、という感じでした。

そして同時収録で脇キャラだった臼井と三津の短編が入っています。
まだ前哨戦?部分のみでこれから……というところだけなのですが、今後の展開が非常に期待させられるストーリー。

綺麗な外見に似合わない口が悪くてキップがいい漢タイプの三津が受け。
そんな三津に自然と恋してしまうワンコ系の臼井が攻め。
カップリングも最高。
ストーリーが本編と時間軸でちゃんと絡んでいるところもつながりがあってよかったです。

なお、これは前作を読んでいないと話も雰囲気もつかめないです。
前作での小田島とこの本の中の小田島はまったく違います。
昔の小田島を知らずしてこれを読むと、その違いが分からずに以前の小田島が治樹に与えた影響が色濃く出てくる本作品のベースが見えてきません。
あの昔の小田島を知ってこそ楽しめる、今の小田島、みたいな(笑)

もし前作を未読でいらっしゃるのなら、読んでからこの本に入ること、強くオススメです。



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テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
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