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手をのばせばそこに (二見書房 シャレード文庫)



いろんなところに作者の「こう話を持ってきたい!」っていう希望が出てました。
それによって曖昧になってる部分も多い。

でも、読み終わってみると、話全体としてどこか印象に残ったし、主人公の受もその性格設定自体は面白い本でした。


手をのばせばそこに (二見書房 シャレード文庫)手をのばせばそこに (二見書房 シャレード文庫)
(2012/09/24)
早瀬 亮

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父を知らず、母は幼い頃に消えたきり嫌な思い出しかない。
冬という寒い名前も嫌い。
祖母に育てられなら、いつしか友達も作らず、口数少なく、閉鎖的に生きてきた。
昼は祖母から受け継いだ駄菓子屋、夜はヤクザのバーで紹介された客に身を預けて金を溜める。
そんな生活の中で、突然隣の空き家に熊みたいな印象の男が引っ越してきた。名前は熊、いや神崎。
毎日駄菓子屋にやってきては、食べてぼっとしている。
すぽっと冬の生活に入りこんできた神崎は、いつも笑っていて周囲の人間からも好かれている。
そんなとき、冬が売りをやってることをしった神崎は、自分が冬を丸ごと買うからと提案する。

前半はなにもかもが曖昧のまま進み、後半一気に過去や関係性が解き明かされていくから、のめりこんでしまうのはたしか。

なんとなく神崎の素性とか、冬の両親のことなど予想ができるけど、実際に語られる事実は更に細かくて、作者が練りに練ったんだなと努力が伺える感じでした。

それに伴って、攻→受への気持ちにも理由がつくし、まるく収まったハッピーエンドも読者に安心感を与える。

けれど、受の感情の機微は少し都合よすぎ……というか、「話の筋をこうもってきたいから、このように考えさせた」と思わせるような、頭は良いはずなのに考え方が妙に短絡的かつ閉鎖的で、ツッコみたくなりました(苦笑)。

熊のような大柄で優しいイケメン攻×小柄で美人で孤独タイプ受

カップリングは萌えるし、喋らない受の心のつぶやきがなんといっても面白い。

かしましい周囲の老人や元気な小学生たちという脇キャラも、出番は少ないけど印象強烈で飽きない。

独りよがりの受だけが、ちょっと読んでて気になったってところでしょうか……

よかったかどうかと聴かれると素直にYESとは答えずらい作品だけど、ミスるのは勿体ないって気にさせる何かがありますよ、この小説。

そのあたりは、ご自分で確かめてみてください。



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テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
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