BL小説  ムーンライトマイル (ディアプラス文庫)



一見地味な作品。

一穂作品独特の雰囲気も薄め。

だけど、エロさを何気ない会話で作り出す表現は素晴らしい!

自分と相反するものに惹かれて行く心情も染み入ってきて。すっごく心に残りました。


ムーンライトマイル (ディアプラス文庫)ムーンライトマイル (ディアプラス文庫)
(2012/09/08)
一穂 ミチ

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ヤリチンだけど根はいい奴×年上天文大好き天文員という、言わば性格も相反する2人。
最初は反発しながらも自然と接近していく自然体そのものの2人がよかったです。
相反するが故に、どこか惹かれて、相手をさらに知って、またちょびっと惹かれる。
そんなちょこっとずつ「いいところ」を見つけ出してく姿も自然体で微笑ましかったです。

そしてこの本のオススメ読みどころは、「会話」

一穂作品、結構文章よりも会話で雰囲気を表現することが多いのではと感じていますが、この作品も何気ないけど雰囲気をがぼっと作り出す会話が多い。

短い一言なのに、行間に溜めて言わなかったもう一言が隠れている、みたいな。
その言わなかった一言が読んでると雰囲気で伝わってくるところが、また凄い。
会話を読ませる作品、って感じでした。

その会話は、エッチシーンでも凄さ発揮。

普通、エッチシーンだと、「指がどうして…」とか表現文章が多くなりがちですが、この作品は会話が中心。
ぱっとページ見ると、文字列が短い。
必要最低限しか文章で表現してない。
でもしっかりエロさがある。これって凄い。

BL読んでいて似たようなエロ表現があると、結構私はすっ飛ばして会話だけ追うんですが、そうするとエロさが伝わってこない。当然だけど。
この作品は、会話だけ追っても雰囲気が艶っぽい。
……やっぱ凄い、これは。

竹下けい子さんのイラストも、この本のストーリーや雰囲気にぴったりでございました。
そういえば、あとがきにも何も書かれていなかったけれど、このお話、既刊の「オールトの雲」と少しと繋がっています。

スピンオフの位置づけと考えることもできますが、そこまで既刊本の主人公たちが出てくることはないので、別に「オールトの雲」を読んでいなくてもまったく問題はありません。

私も読んでいて、あれ、聴いたことある名前の人が出てるなぁ……と記憶を手繰りながら読んでたら、途中でおお!そうだ、と気がつきました(笑)

たしかに「オールトの雲」も天文ちょびっとかじってる作品。共通点は「天文」か……。

一穂作品は、たまにハズレのような評価が出る作品もありますが、個人的には総じてどれも好きです。ストーリーとかキャラ設定というよりも、文章や会話が独特で作家さんとして一味あるなぁと……毎度感心。
まだあんまり一穂作品読まれていない方は、是非会話だけでもぺラッとページめくってどうぞ。
何気なく、面白いです。




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