BL小説  ドアをロックするのは君 (二見書房 シャレード文庫)



「ドアをノックするのは誰?」の続編。

既刊でくっついた二人が同居を始めてからのお話で、恋人同士がしばらく経った頃に湧き上がってくる小さいけれど重要な齟齬を通して、互いを再度見つめあう過程がとても丁寧に書かれていて、よい文章、よいストーリーでした。


ドアをロックするのは君 (二見書房 シャレード文庫)ドアをロックするのは君 (二見書房 シャレード文庫)
(2012/08/24)
鳩村 衣杏

商品詳細を見る



同居を始めた甲田×頼久は、なにもかもがうまくいっている。
でもそんなある日、甲田が昔付き合っていた女性の子供が突然現れて、しばらく預かることになる。
甲田の子供なのか?
もしそうなら、甲田はどうするのか? 
そのとき自分はどうするのか?

甲田の気持ちに従うことを当然と受け止めながらも、実は本心を無意識に隠している頼久の無意識さに心の繊細さが詰まっているようで、いろいろ身近に考えさせられる場面が多くて共感できました。

子供なんてダメだったのに次第に自分の子供という愛情が沸いてくる甲田の変化も、読んでいて面白かったです。

二人の感情の動きがとっても自然で、びっくり。
ああ、こういう切り口で感情の説明するんだなぁ……とこの鳩村衣杏さんという作家さんに少し惚れました(笑)

本自体はいい年した大人だからこその迷いや戸惑いがダイレクトに伝わってくる、「読み込む」タイプなので、少し真剣な等身大ストーリーがお好みの読者サマがお好みなタイプかと思います。

大して分厚くないのに、中身が濃いし充実してる。
逆に言えば、ムダ口(?)が少ないです。

ちなみに、私は二人の出会いを書いた既刊「ドアをノックするのは誰?」は読まずに、この本から読み始めたのですが、十分話についていけました。

ところどころこれまでの流れの補足がさりげなく入っているので、この本だけでまったく問題ありません。

……が、その後で一応既刊を読んでみたところ(絶版なのか、攻の甲田の人間性が変わってきているので、変化を楽しむ意味では両方読まれることを個人的にはオススメします。

やっぱり出会いから読むと、面白さと自分が入りこめる世界の深さが増す気がします……



関連記事
テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
BL小説  ムーンライトマイル (ディアプラス文庫) | Home | BL小説 伯爵夫人の魔法の靴 (ルナノベルズ)