小説 僕のダンナさん (宝島社文庫 『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)



BL作品の並びにあったので、地味な表紙のBLだなぁ……と手にしてみましたが……

これはBL作品じゃないです。

いや、大きなくくりではそうなるのかもしれないけど、この本、もっとすごい。
家族物語、「男を恋人として連れてきた息子とその家族の心温まる物語」でした。


僕のダンナさん (宝島社文庫 『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)僕のダンナさん (宝島社文庫 『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)
(2012/09/06)
咲乃 月音

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最初の一章ぐらいは、ちょっと挫折しそうになりました(苦笑)
なんでだろ、なんかとっかかりが掴みづらかったというか、家族の宴会シーンに、一体この話、どうやってどこが繋がるんだろ……っと不安になってしまいました。

が、一度始まるとババッと、掃除機に吸い込まれるように話に引き込まれていく、不思議な吸引力を持つ本でした。

筋的には、ある家族の息子が、恋人を紹介したら、それが男で、家族それぞれ右往左往、知人の反応やらなにやらがあって、さてどうするか……というちょっぴり有名テレビドラマ「○る世間……」っぽい。

男を恋人として連れてこられた家族一人ひとりの反応が至極等身大に書かれていて、読んでいてどこか心が温まりました。

というのも、この本には、ありえない設定がないのです。

普通の家族や周囲の反応が、飾り気もなく素直に綴られていて、その素朴さに気がつかないうちに話に引き込まれている……という感じ。

恋人が男というだけでまったく話の聴く耳を持たずに殴ってしまう父親、暖かく応援しようとしてくれる母親、ゲイには本能的な嫌気を抱きながらも認めようとする知人、いろいろ思うところありながら応援しようとする妹、その妹のかっこよくない彼氏など、いろいろな人が多様な反応を示し、その中で本当に好きな恋人、心さんとやっていこうとする主人公。

誰もが味があり、憎めない存在。

そして主人公の恋人、心さん、人としてかっこいい!!

出会いとか、会話とか、切ない部分もあるけれど、どこかほのぼのしてて暖かいのです。

アットホームながらどこか切なさも抱かせる秀逸作品だと思います。
BLとかゲイ話とか関係なしに、オススメです。

あ、ちなみにこれは以前出版されたものの改題リバイバルバージョンです。
内容はおニューではありません。



テーマ: BL小説 | ジャンル: 小説・文学
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