BL小説  トイチの男 (幻冬舎ルチル文庫)



全体的に地味目だけど、実はその裏に華やかだけど切ないストーリーが潜んでいる……そ んな表と裏が異なる印象的な作品で、けっこうおススメです。

質屋が舞台で、その質屋稼業の説明も面白いです。

恋愛よりも、どっちか言うと「生き方」に重点を置いてる作品に感じました。


トイチの男 (幻冬舎ルチル文庫)トイチの男 (幻冬舎ルチル文庫)
(2012/08/17)
玄上 八絹

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質屋を一人で営んでいる悠は、ある日店先で行き倒れていた男、茅野を拾う。無一文の茅野をしかたなく世話して働かせることになった悠は、次第に茅野がいる生活に居心地の良さを感じていく。
しかし、ある時茅野が持っていて質種に悠が受け持った品物にすごく高価なモノが入っていることがわかる。そして茅野の正体がわかり、悠の過去もまた……

中盤までこのストーリーがどこに行きつくのか、悠という主人公がどういう性格なのか、どんな過去を持っているのかさっぱりわからないのですが、これが突然全てが明らかになり、そして少し切ないものになっていきます。

ここでは悠の過去については書かないので、ぜひそこはご自分で読んでみてください。
かなり興味深いというか、「作者、すごい思いつき!」というか……
でもありえそうだから怖いような……

そしてこの悠のことを知ってしまうと、ずっと地味でどこにこの話はいきつくんだろうと思ってたのが、後半一気に展開して開けていって面白くなります。

前半と後半と印象ががらりと変わり、ぐぐっと話に引き込まれていきます。

個人的にツボだったのは、脇キャラとしてでてきた別の鑑定屋の2人。
かっこいいんですよ~。
色気バツグンにあるし。
大人なカップルで、この2人でもう一冊できるんじゃないかと期待してしまうほど印象の強い攻と受。
少ししか出てこないけれど、主人公2人が地味だから、ここで華があってよかったです。

というわけで、攻の茅野がアクがないからか印象薄めなのと、微妙に細部が気になったところはあったものの、総じて心に残るストーリーでおススメです。

初めて玄上八絹さんの作品を読んだのですが、少し他の作家さんとは目をつけるところが違う個性がある作家さんなのかな……と。
今度別作品も読んでみようかと思います。



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